革絞り(ウェット フォーミング)‐‐‐革のはなし—

革のはなし

革絞り(ウェット フォーミング)

革制作の技法のひとつに革絞り(ウェット フォーミング)というものがあります。

コレは革の可塑性 という性質を利用した造形方法で、水分を含ませた革を型にはめ込むと 乾いた後もそのままの形状が維持され立体形成が出来るというもの。

可塑性とは : 物体に応力を与えた時に生じた変形が、応力を取り除いた後も元に戻らないという性質の事。

主にタンニン鞣しの革がコレに適していて、特にオイル分が少ないヌメ革が良いようです。

形成には まず型枠が必要になります。 型枠は制作までに時間がかかりますが、一度作ると何度も使えるので量産にも適しているでしょう。

そして何より、楽しい。更に仕上がりがとても美しい。

一度やってみるとハマります(^-^)/

以前製作したウォールポケットもこの革絞り加工で作ったもので、この程度の型枠ならそれほど時間もかけずに出来ると思います。

革絞り・やり方

コレは上記のウォールポケットを作った時のやり方ですが、作るモノによっては工程が少し違うかもしれません…

  1. まずは 型枠を作成します。(コチラは別ページを用意してご紹介したいと思います。近日公開予定(^^;)
  2. 次にタンニン鞣しの革を、作りたい作品の約1.5倍ほどの大きさで用意。(色を付けたい時はこの時点で染めます。
  3. 用意した革を水の入った容器に完全に浸して水分をしっかり吸わせます。
  4. 水滴が垂れない程度まで水を切り、型枠にハメていきます。
  5. はみ出したミミの部分を 作品にシワが寄らないようにしっかり伸ばし、クランプなどで固定します。
  6. 完全に乾くまで放置。(私は次の作業日まで数日間ほったらかします)
  7. 完全に乾いたら型枠から外して余分なミミを切り落し、完成です!

注意点としては

とにかく型に密着させ、途中でズレない事。

型枠を作る際、革が間に挟まる分の隙間を均等にする事。狭すぎると入らなかったり銀面を痛めたりします。逆に広すぎると形がしっかり決まらなかったり、たるみが出たりします。

水分が抜けて完全に乾くまで絶体に型枠から外さない事。待ちきれずに外してしまうとキレイなラインが出なくなりカタチが崩れてしまいます。

立体形成をするので革の大きさはしっかりとっておいた方が良いでしょう。あとで切り落としてしまうので もったいないですが型枠に固定する為のミミの部分が必要になります。

こんな事も…

革絞りは型枠次第で様々なモノが作れます。

コレを覚えると、例えばケース類を作るにも丸みを帯びた美しいカドがつくれたり、革に刻印を打ち込んで描くカービングよりも更に立体的なデザイン形成ができるようにもなります。

コレは私が使っているiPadケースですが、こういった所も角がピッタリはまる形に仕上げる事が出来ます。

更に、革絞りに特化した作品を作っていらっしゃる方では、こんなモノまで出来てしまいます(*’▽’*)驚きのクオリティですね!!

コレは ももこさん という作家さんからお借りした画像ですが、実際に販売されていて、海外の方からも絶賛されているようです(^^)/

他にも和菓子をイメージした美しくてカワイイ、そして楽しい作品がたくさんありましたので、是非見に行ってみて下さい(^^)

ももこさんのHP Momoko’s handmade studio リンクはコチラ

こんな感じでとても楽しい革絞りのテクニックをもっと磨いて作品の幅を広げていけると、レザークラフトはもっと楽しめそうです。

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