ヌメ革って? —革のはなし—

レザークラフト

ヌメ革はその性質からレザークラフター達に圧倒的な人気がありますが、このヌメ革の特徴について知っておく事で制作に様々な工夫を凝らす事ができます。

今回はヌメ革について書いてみました。

ヌメ革

ヌメ革とは一般的に*タンニン鞣し で製造され、型押しなど表面加工されていない状態の革を指します。

牛の半裁だと⇩こんな感じです(紹介している商品はA4サイズにカットした6枚セット)

*タンニン鞣し: 植物の渋から抽出したタンニンという成分を使って鞣した革の事。 詳しくはこちら。

本来、ヌメ革とはピット槽でタンニン液に漬け込んだものを指すのだそうですが、現在ではこの製法で作られた本当の意味でのヌメ革はとても少なくなっています。

染色されていない状態は薄いピンク 〜 べージュ色で紫外線を受けて徐々に茶色に変色していきます。

これがエイジング(経年変化)といって革製品を育て、長く楽しむ要素になります。

また、原材料の革だけでなく鞣しの原料も植物由来のものを使っている為、自然にも…そして人にも優しい素材ということになります。

ヌメ革の特徴

次に制作に直接関わる性質を挙げてみます。

  • 紫外線により変色しやすい。 ⇔ エイジングを楽しめる。
  • 水、油分を吸いやすい。⇔ 染色に適している。
  • 銀面にキズがつきやすい。⇔ 刻印やカービングなどの表面加工がしやすい。
  • 可塑性という性質を使い形状加工が出来る

上記3点はデメリットの裏返しとしてのメリットになりますが、人々はこの特徴を実にうまく利用して様々なものに活かしてきました。

ヌメ革製品のお手入れ

エイジングを楽しむ為に。

エイジングによる色の変化を長く楽しむ為には、ただ使い倒すだけでは汚れやシミ、ひび割れなどが原因で汚くボロい感じになってしまい使い続けるのも嫌になってしまいます。

手入れの仕方を知ると愛着が湧き、色の変化だけでなくキズの一つひとつも思い出として残り 自分だけの一品に仕上がる事でしょう(^^)

そこで革の デメリットである方の特徴を理解する事でそれらを回避してあげることができます。

ヌメ革は水に弱い(吸水性が良い)ので何もしないと ちょっと雨に当たっただけでもシミや銀浮き(水脹れの様な痕)が出来てしまいます。

また、革は油分が無くなると硬くなってひび割れを起こします。

そこでクリーム(オイル)を塗って保湿してあげるのですが、汚れたままの革にワックスをかけると表面に付着している汚れも油分と一緒に染み込んでしまいシミの原因にもなってしまいます。

お手入れの最初はブラッシングや乾いた布で軽く拭いてあげるなど、細かい汚れを落としてあげましょう。

特にブラッシングは革靴のお手入れと同じで馬毛のブラシなどが良い様です。

出来ればその後に固く絞った柔らかい布で表面を拭いてあげたり、場合によってはクリーナーをかけてあげる事も必要です、

次に全体にクリームを塗布、その後に表面に残った油分を拭き取ってあげるイメージで、乾いた布で乾拭きしてあげます。

仕上げに豚毛などの柔らかいブラシでブラッシングしてあげると細かいキズが目立たなくなります。

最後に防水スプレーをかけてあげると水シミの心配が減りますが、防水スプレーをかけるとエイジングが遅れるようです。

早く色の変化を楽しみたいなら防水スプレーは極力避けるのもひとつの手です(^^;

オススメのクリーム(オイル)は

コロニル シュプリームクリーム1909 が良いと思います。

 

以上、ヌメ革についての記事ですが、クリームやメンテナンスの道具は他にも沢山の種類があり 使いやすさや成分や香りなど、自分に合ったものを見つけるのも楽しいかと思います(^^)/

ちなみに油分の塗りすぎは型崩れを起こしてしまうので注意が必要です。

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