革製品の仕上がりをみる上で縫い目の美しさはとても重要な要素になってきます。
高価な革を使い とても手の込んだ作品でも、縫い目がガタガタだったら それはとても安っぽく見えてしまいます。
革を縫い合わせる針と糸は布を縫うものと少し違うため、今回は針と糸について書いてみました。
縫い針
革用の針は少し太めで、先端は布用の針ほど尖っていません(指に触れても刺さらない程度…)
- 革は厚みがあるのでそれなりに力を入れる必要がある
- 糸は一般的に約0.5㎜以上のものを使う為、穴の大きさもやや大きめである必要がある
また、先端の丸みがあるのにも理由があり、
- あらかじめ空けてある縫い穴に針を通しやすい。
- 先端が鋭利だと不用意に銀面を傷つけてしまう。
などが挙げられるでしょう。
下の画像は左側が布用、右側が革用の針です。革用は先端が少し丸いですね。
これらの理由から針はレザークラフト専用の針を使うことを強くお勧めします。
革針としては[クラフト社]の針などが使いやすいと思います
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また、革は固いので場所によっては長い針がまっすぐに刺し込めない事があります。
この場合は曲がり針(カーブ針)がとても役に立ちます。
半円を描くような形状で、狭いすき間に別の角度からアクセスすることができます。
糸
丈夫な革製品を長く使う為には糸も丈夫でなければなりません。長い歴史を経て糸にも革縫いに特化した工夫がされています。
蝋引き と呼ばれるその手法は糸にロウをしみ込ませ紡ぎ合わせた糸のほつれを予防し強度と耐水性を上げてくれます。
糸は一般的に麻糸を使いますが最近はビニモなど、優れた化学繊維の糸があり使いやすくてとてもオススメです。
またシニュー糸というのもあります。シニュー糸は元々動物の腱から作られたそうですが、現在ではナイロン繊維で作られたものが一般的に販売されています。
細い繊維が束ねてあり、割いて細くして使うことが出来るので、一つの作品を同じ糸で 縫う場所によって太さを変える事が出来ます。(実際はまだ使った事がないんですが…(^^;;)
蝋引きの糸は、元々ロウを引いた状態で売っているものも有りますし、手持ちの糸に自分で蝋を引く事も出来ます。
固形のロウが500円程で売っているので、コレに必要な分の糸を付けてグイッーと2、3度引いてあげれば あら簡単、蝋引き糸の完成です。
私は簡単な小物を作る時など、家にある毛糸などでも蝋引き糸にしていました…色のバリエーションが豊富なので自分の物を作る時などは重宝しています(^^;
以上、今回は手縫いの針と糸について書いてみましたが、革縫いの場合は布と違い直接針を通す事が出来ません。革に縫い穴を開けておく事が必要になる為、こちらの道具もひとつ記事が書けるほど たくさんの種類があります…次は目打ちや菱ギリ(下穴を開ける道具)についても書いてみようと思います。
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