革の種類 —革のはなし—

革のはなし


レザークラフトを始めるにあたり、基本的な革の事をよく知っておく事。コレは大事だと思います。

皮と革

皮から革が出来るまで。

皮とは動物の外側を覆ういわゆる皮膚の部分の事。

昆虫やクラゲ、貝類などの一部の生物以外は 通常皮膚を持っている、生きて動物が纏っている皮膚の事が、皮(スキン) その皮を動物から剥がして乾化し、柔らかくすると共に、腐らないように加工を施した状態を 革(レザー)と言います。

この皮から革へ加工する作業を鞣し(なめし)といいます。まさに革を柔らかくする、と書いて《鞣し》…わかりやすい(^◇^;)

そしてこの鞣しを専門に行う人をタンナーと言います,

ひと口に革といっても用途、製法、動物の種類などによって 革には様々な種類があります。

その中で、今回は革の製法による違いをまとめてみました。

クロムとタンニン

《鞣し》には世界中で様々な方法が伝えられていますが、現在主流となっているのはクロム鞣しとタンニン鞣し、大きく2種類に分類します。

クロム鞣しはクロム化合物(塩基性硫酸)を使って鞣しを行います。
その性質は柔らかくて伸び縮みしやすく、タンニン革に比べて傷に強く耐水性があります。また、薄く、軽くでき、加工もしやすい、製造工程での染色が容易で色落ちしにくい。
そして何より低コストで大量生産に向いているので現在、世界中に流通している多くの革製品はクロム鞣しで作られています。

対してタンニン鞣しは植物性のタンニン(柿や茶の渋成分など)で鞣しを行う伝統的な方法です。
特徴は、丈夫でコシがある硬めの革になり、水分をよく吸収します。銀面(表面の事)がキズつきやすく、紫外線による変色が出やすいなどの特徴があります。
クロムに比べて製造工程に時間がかかるのでコストは高めになります。

こう書くと、圧倒的にクロム革の方が優れているように思いますが、革素材を楽しむ方や、レザークラフトの工程を楽しむには 断然タンニン鞣しに人気があります。

制作時には染料が良く入り、銀面には刻印が刻まれ、カービンなど模様や絵柄を彫り込む事ができるので様々な作品が作れる上、製品として使う中での変色はエイジング(経年劣化)といって使い込むほどに愛着が湧く自分だけの一品に仕上がります。
革製品の人気はタンニン鞣しが、支えている部分も大きいのではないでしょうか・・

革の香りもクロムとタンニンでは明らかに違いがあり慣れてくると手触りや匂いで判断が出来るようになります。…ちなみに私はタンニン革(ヌメ革)の香りが大好きです(°▽°)

そして種類や製法の違いにはここから更に細かく分類され様々な革が生産されていますが、それはまた少しづつ深掘りしていければと思います。

最後に

良い悪いは別にして 動物を殺し、皮を剥がして加工して使う、非常に残酷な行為だけど、人類は古くからこの皮を革に変える事で 怪我を防ぎ、寒さを凌ぎ、物を包み、装飾を施し、様々な恩恵を受けてきました。
食べるのと同様に生き物を殺して得るレザーという素材は決して無駄にせず、感謝して使うべきだと思いました。

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今回は製造工程での違いを書きましたが、次回は動物の種類での違いなども書いてみたいと思います。

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