作品を作る上で革同士を貼りつける作業は必要不可欠な工程になります。
このページでご紹介するのは以下の項目
- 接着剤の種類
- それぞれの違いと特徴
- 貼り付け方の基本
- 必要な道具
(^-^)/これを覚えると接着で迷う事がなくなります
接着剤の種類
革の接着は状況に応じていくつかの種類がありますので一般的なものでご紹介していきます。
大きくは2種類に分類され、
- 白ボンド(塩ビ系接着剤)
- 溶剤系の接着剤
- ゴム系溶剤
- ゴムのり
などの接着剤があります
それぞれの違いと特徴
白ボンド(酢酸ビニル系ボンド)
水溶性のボンドで真っ白くドロドロした接着剤
成分的には水溶性酢酸ビニル系エマルジョン接着剤という分類になるそうです。
性質は、乾くと半透明になりカチカチに硬くなります。また 水に弱く、濡らすと溶け出してしまいます。
こちらは貼り付けた後も乾燥するまで少し時間がかかる為、貼った後から位置合わせができる反面、きちんと固定しておかないとズレてしまう事もあります。
レザークラフトでは小物などで縁のラインにパリッと張りをもたせたい時などに有効なようです。
- サイビノール
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【クラフト社】から出しているレザークラフトでは定番のボンド。100番と600番があり100番は緩めでサラッとして塗りやすく、600番は硬めですが接着力も強いようです
- 白ボンド
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こちらは【共進エル社】から出しているレザークラフト用接着剤、サイビノールと同様のものです。
商品名がそのまま[白ボンド]分かりやすいですね(^_^;)
- 皮革用ボンドエース
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そして【SEIWA社】で出しているのがこちら。ラベルには[強力]と書いているのと書いていないものがありますので注意、外観の見た目はほとんど変わりません(^_^;)
- 木工用ボンド
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そして最後に、超有名な接着剤メーカー【コニシ株式会社】で出しているものがコチラ。
皮革用とは明記していませんか成分的には良く似ているので、木工用といっても革との相性が良くレザークラフトショップが近くに無い場合にもホームセンターや文房具店などでも売っているので入手しやすいでしょう
ちなみに木工用ボンドは【セメダイン社】や他のメーカーでも出していますが性能に大きな違いはなさそうです。
溶剤系接着剤
溶剤系の接着剤は 白ボンド(酢酸ビニル系)の接着剤と比べ、色や臭いなどなども含め成分に様々な違いがあります
性質はゴム質で乾燥後も柔軟性があります。
揮発性があるので酸素に触れるとすぐに乾燥が始まります。缶やチューブのフタを開けっ放しにすると使い物にならなくなってしまうので注意が必要です。(白ボンド系もフタの開けっ放しには注意ですが)
大きな袋ものなどを作る場合には硬さにムラが出にくくこちらの方がオススメなようです
- G17
クロロプレンゴム系溶剤型接着剤
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【コニシ株式会社】のホームセンターなどで一般的に売られている物で用途はゴム、皮革、金属用などの接着剤。
様々なものに使えますが、革はとても強力に付きます。
塗っている最中に乾燥が始まるので塗りムラが出来ないように注意が必要、一度接着してしまうと剥がすのは困難です。
色が黄色く臭いがキツイので使い勝手はあまり良くないかもしれません。
- Gクリヤー
スチレンブタジエンゴム系溶剤型接着剤
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同じく【コニシ株式会社】から、こちらは用途が皮革、布、合成ゴムなどと記載されていて、G17ボンドよりも接着力は少し弱く感じますが、色は透明で臭いはこっちの方が好き(個人的な感想ですが…)
使い勝手はこちらの方が良いようです。
- ダイヤボンド
クロロプレンゴム系溶剤型接着剤
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【ダイヤボンド工業株式会社】から出ているNo.888 製靴用の接着剤で成分的にはコニシのG17に近いようで製靴用として明記しているだけあり強力な接着力があるようです
- ゴムのり
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一般的にゴムのりと呼ばれるゴム系の接着剤は未加硫ゴムに添加剤を配合し溶剤に溶かした物をさすようです。添加剤や溶剤に色々なものを配合していますが基本性能的には大きく変わりません。
ただ、トルエンやベンゼンなどを使用しているものは臭いがキツイので換気をお勧めします。
ゴムのりは商品名にそのまま[ゴムのり]と明記しているものが多く、いくつものメーカーから出しています。チューブタイプもあり、固まる前に使い切るにはこちらもオススメですが個人的には丸缶のゴムのりがレトロな感じで好きです(^-^)
貼り付け方の基本
はじめに、革に接着剤を塗る前に必ずやっておく[面を荒らす]という工程があります。
特に銀面は表面がツルツルなので接着剤が繊維と絡まず剥がれやすくなってしまいます。
そこで荒めのサンドペーパーなどで接着面に傷を付けて面を荒らしておきます。
そして表面の汚れやカスを取り除いておきましょう。
ちなみに面を荒らすのに便利なのがワイヤーブラシ。ホームセンターで様々なモノが売っていますが、硬めのワイヤーが歯ブラシのようになっているものが1本あれば何度でも使えるので便利。ちなみに私が最近見つけたオススメの道具はペンタイプのワイヤーブラシで、約1cm幅のワイヤーが細かい作業にとても使いやすく まさに神ツール。お気に入りの道具です(^^)
白ボンド系の接着剤
両面に薄く塗り、すぐに接着します。
乾く前なら多少の位置調整が可能ですが、逆にズレないようにしっかり押さえておく必要があります。
20〜30分程度で接着します。
溶剤系の接着剤
こちらも両面に薄く塗りますが、すぐに貼り付けてはいけません。
5分以上放置し表面が乾くまで待ちます。
触っても手に付かない状態まで乾いたら、貼り付け位置に注意して一発で貼り付けます。
その後ローラーや木槌を使って革同士を圧着していきます。
必要な道具
- ヘラ
接着剤を塗る時のヘラは購入もできますが、幅広から先細まで自分の使いやすい工具を3〜5種類ほど作ってみると良いです。
割り箸の先を削ったり付属のヘラを加工したりしています。
- ブラシ
ゴムのりを塗布する場合、歯ブラシなども使えます。均一に塗りやすいので専用の1本があると良いでしょう
ちなみにシリコングリップの歯ブラシの柄は溶剤系のボンドを剥がす時にけっこうキレイに取れます
- ローラー
圧着用のローラーです。
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- 木槌
レザークラフトには必須の木槌、接着面の圧着にも使います
- サンドペーパー、ワイヤーブラシ
サンドペーパーは400〜600番くらいの荒めの布ペーパーが便利です。
ワイヤーブラシは硬めのワイヤーで使いやすい物があればホームセンターで売っている物で大丈夫。
- ラブラブクリーナー
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接着剤がはみ出た時に綺麗に剥がせる道具です。
元々はスウェード革などの汚れ落としなどに使われる物のようですが、接着剤のはみ出しなどを取るのに有効で1本持っておくと重宝します。
以上、接着剤のお話でした。今回挙げていないものも沢山ありますが用途に合わせて色々なものをさ試してみると良いでしょう。
ちなみに接着剤はどうしても固まり易いので、購入時にはあまり大きな容量のものを買うよりは少量ずつ複数本 買うのがお勧めです(^^)
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