革好きやレザークラフターでなくとも この名前を知らない人はいないでしょう・・という程 世界中に知られているブランドとしてルイ・ヴィトンがあります。
好き嫌いは別にして何故これほどまでに知名度が高いのかというのは興味があります。
調べる事でまた新しい発見があるかもしれません。というわけで今回はルイ・ヴィトンのおはなし。
ルイ・ヴィトンの歴史
創設者ルイ・ヴィトンは1821年にフランスで生まれ、16歳の頃パリでトランク職人になりました。
そして1854年に独立。世界初の旅行用トランク専門店を立ち上げました。
軽い豚革に防水加工がウリで[水に浮くトランク]として評判でしたが、そこに あのタイタニック号が関わり、引き上げられたヴィトンのトランクは中身が一切濡れていなかった。という伝説のエピソードが生まれました。
大評判となったヴィトンのトランクはコピー品が出回るほどの人気でしたが軽くて持ち運びしやすいのがアダとなり盗難の的になっていしまいます・・
1866年 息子のジョルジュ・ヴィトンがここに目を付け堅牢な錠前付きのトランクを開発、1890年に特許を取りました。この結果トランクの盗難が劇的に減りルイ・ヴィトン ブランドは大きな信頼を得ました。
ちなみにここにも伝説のエピソードが残っていて、当時 脱出王として有名なマジシャン [ハリー・フーディニ]という人がいました。ルイ・ヴィトン社は彼に紙面で挑戦状を送り鍵付きのトランクからの脱出を申し入れました。しかしフーディニはそれを受け取らなかったのです。するとそれを逆手に取り[脱出王が敢えて受け取らなかった錠前]という肩書で世間にアピールし抜群の宣伝効果をもたらしました。
日本文化との関わり
ルイヴィトンを象徴するデザインに[モノグラム]というものがあります。
これ、実は100年以上の歴史があるんですがデザインには日本文化の影響を強く受けているそうです。
というのも1867年に開催されたパリ万博に[ジャポニズム]として市松模様や家紋などが紹介されて話題となりました。
これに目をつけたのがルイヴィトン。当時からヴィトンのバッグは模造品が出まわりコピー商品防止の為に[ダミエ]と呼ばれる市松模様のデザインを取り入れ、さらに家紋をアイデアに[モノグラム]を採用しました。
このデザインが人気となり当時のパリジャンの間で大ベストセラーとなり現在に至ります。
ちなみにコピー防止には当時一定の効果があったようですが、現在でもブランドバッグのコピー商品は無くならない事をみるとイタチごっこは続いているようですね…(^^;)
ルイ・ヴィトンの定番ライン
商品としてはバッグやサイフなど数多くの商品がありますがデザインの種類をわかりやすくする為にサイフを例に挙げてみました
ダミエ
市松模様がカワイイ人気のデザイン。前述のとおり歴史は古く長年親しまれているシリーズですね
素材は[トアル地]と呼ばれるビニール素材で、実は革ではありません…
エジプト綿に塩化ビニールをコーティングした物で安物のビニールではないそうです^_^
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モノグラム
ルイヴィトンと言えば、という程の定番がこちら。創業者のイニシャルを表すLVに花と星をイメージしたデザイン。これが前述の家紋をヒントに作られたと言われるデザインで、100年以上も続く超ロングランラインとなります。
モノグラムの素材も[トアル地]と呼ばれるビニール素材です
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ヴェルニ
ヴェルニの特徴は高級感のあるエナメル加工。50色以上のカラーバリエーションがあります。
素材はカーフスキンと呼ばれる生後6ヶ月以内の仔牛の革を使用
モノグラムが刻印されてルイ・ヴィトン ブランドを演出しているものが多いようです
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ちなみにこのヴェルニ、ひとつだけ注意しなければならないのが、エナメル加工の弱点として、インクなどの油に弱いようです。新聞の上に置いておくだけでインクが色移りしてしまうそうなので保管の際は不織布などで包むのが良いようです。
エピ
エピとはフランス語で麦の穂を指します
揺れている麦の葉をイメージして一定方向に向けた不規則なラインが入っている人気のデザインです
革はヴェルニと同じく[カーフスキン]を使用。
こちらは顔料仕上げで、これもカラーバリエーションが豊富にあります
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その他のデザイン
- [タイガ]メンズラインとして製作されたシリーズでロシア語の針葉樹林を指します。
カーフレザーを使用した顔料染色。針葉樹を思わせる細くて短い線の刻印が一方向に向かって並んでいます。
- [クロコダイル]
- [オーストリッチ) ダチョウの革で特徴的な模様があります
- [ミンク]
これらは主にエキゾチックレザーをベースに作られたライン
- [デニム) デニム地で仕上げたデザインカジュアルなスタイルのラインになります
LVMHグループ
1987年ルイ・ヴィトンはモエ・ヘネシーが合併、ここで世界一のファッションブランドが誕生しました。
ちなみに、モエ・ヘネシーとは[モエ・エ・シャンドン]と[ジャズ・ヘネシー]の合併会社。どちらもお酒で有名なブランドです。
これでLVMHというグループになった訳ですが、実はその傘下には約60社もの企業が名を連ねており有名なブランドも数多くあります
一部抜粋してみると…
- LOEWE (ロエベ)
- CELINE (セリーヌ)
- FENDI (フェンディ)
- Dior(ディオール)
- TAG HEUER (タグ・ホイヤー)
- Chaumet (ショーメ)
- HUBLOT(ウブロ)
- ZENITH (ゼニス)
- BVLGARI(ブルガリ)
などなど、ファッションブランドにあまり興味のない私でも知っている名前がたくさん出てきます(^_^;)
最後に…
こうして、ルイヴィトンは世界一と言われるファッションブランドに成長したのです。
以前革の歴史でも触れましたが、革の文化は数千年の歴史を経て新しい素材に変わろうとしています。
まさにルイヴィトンはこの代表例ではないかと思いますが、それも時代の流れの中で仕方のない事なのでしょう。
個人的には革素材が大好きなのですが、一流ブランドと言われる企業の背景を知ることが出来た事は新しい発見でした。
今回作成したブログの内容は[ルイヴィトン]で検索した複数の情報を元に記事にまとめたものです。
特にRNMというサイトにわかりやすい説明がありましたので参考にさせて戴きました。
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